世界的な流行を続けるコロナ・パンデミックや、じゃがいもの大規模な生産地であるアメリカ大陸での水害など、気象災害の影響もあり、今、全世界的に「じゃがいも」が原材料として不足しているのだそうです。
もちろん、日本にも、その影響は及んでいて、もっともじゃがいもの製品利用が多い業界のひとつでもある、マクドナルド、モスバーガー、ロッテリア、バーガーキングなどといったバーガーチェーンも、その対策に追われています。
その結果、なんと今、バーガーチェーン業界では、異例の「ポテト対策」戦争ともいえる事態が、密かに巻き起こっているのです。
サイケデリック・ピエロで有名なM社が打ち出したのは…
なんと、これまで全く接点のなかった業界との異色コラボ商品。
調理家電機器メーカーとのコラボレーションによる、その名も「フライドポット」。
メーカー側が本製品用に新たに開発した、試験管サイズの細長いポットを、鉄をも溶かす1,800度にもなる超高温で一気に加熱。
真っ赤に色づいたポッドの上から、味噌味の特性のミックスソルトで味付けした、同社渾身の意欲作です。
「舌もとろけるポットなひととき」をキャッチコピーに、なんとも金属味あふれる仕上がりとなりました。
絶品のチーズーバーガーを主力商品とするL社からは…
イギリス通貨である「ポンド」を細く丸め、280度の油で調理した「フレンチポンド」が、打ち出されました。
イギリスの通貨を利用した商品を「フレンチ」と名付けることには、開発段階で英国からの強い反発があった、とのことですが、大使館の職員に実際の商品を試食させたところ、すぐに感動したように胸を抑えて何も言わなくなった。とのことで、同社の本製品に対する強い自信が伺えます。
ちなみに、ファーストフードにおける揚げ物メニューとしては、異例ともいえる高温での調理方法について、同社の製品開発部への編集部から問い合わせを行った結果、「だって、みんなが触ってるものだから……」という意味深なコメントをいただいた意欲作が本製品であります。
価格は30ポンド分のフライが入って、なんとも強気の4,680円。しかし、為替相場を考えれば妥当な価格設定といえるかもしれません。
他社から頭一つ抜けた味わいを提供する「MOS」社の商品は?
同社では代替原料として、昨今のデジタル化により、全国各地で利用頻度が大幅に減少した「ポスト」に着目。
徹底的に味にこだわった結果、なんとも懐かしい味わいの「ポスト・フライ」が完成、新発売を開始します。
同製品では、まず全国各地から、すでに利用されなくなったポストを収集。集まったポストを充分に洗浄・殺菌した後、スティック状になるまで細かく刻みます。
そうして、食べやすいサイズに刻んだポストを、素材の味を引き出すため、低温の油でじっくりと火を通し、仕上げにトマトソースのディップを添えた一品です。
キャッチコピーは「赤い思い出をあなたに」とのこと。旧友から久方ぶりに届く手紙を開封するようなドキドキを味わうことができる逸品です。
最後は「キング」の名にふさわしい、あのチェーン!
バーガーチェーンのキングたる同社では、他社に振り回されることなく、堂々と独自路線の商品を展開しています。
同社が今回、採用した原材料は驚きの「パンツ」。
もはや、3文字ということしか合っていないようにも思いますが、王者は些末なことは気にしません。
製品名も正々堂々「パンツ・ド・フライ」として、強気に打ち出しています。
販売サイズも複数用意しており、男性向け・女性向けにそれぞれ味付けを調整。多くのユーザーに受け入れられるようにと、同社の商品開発ノウハウが詰まった製品となっています。
なお、実は同社が最初に目をつけたのは「パンダ」だったそうですが、自然保護の観点と、中国との国交断絶の可能性があったことから、泣く泣く断念したとのこと。
世界的なじゃがいも不足に、ファンが心配の声を上げる中、各社ともに個性的な新商品ラインナップを展開してくれています。
いずれも、人気次第ではさらなる商品ラインナップの強化にも意欲的。次はどんな商品が出てくるか、今から楽しみでなりません。
ただし、どの商品も一時的なキャンペーン商品であるため、発売期間は流動的とのこと。
ぜひこの機会に、各社の味を楽しんでみてください!